柳子には、 上地が言いたいことが、 知識的にはわかっていたけれど、 感情的にはわかりたくなかったのだ
。
平和新聞社のなかにいると、 問答無用の状態のなかにいることになるだろう
ううん、 まあねぇ、 天皇に関する限りにおいてはそうだけどぉ、 それ以外のことについては自由に発言で
きるしぃ、 わたしの性格としてそうでなければおれないんですよねぇ
肯定したくはなかったけれど、 勁く反論する意欲もなかった。
天皇に関することだけじゃなく、 完全な自由はなかったはずだよ。敗けている戦争を認識するようになっ
ても、 敗けていると言えないのだから。その点では日本のほうが自由な発言ができるようになっているよ
上地の言うことに嘘はないだろうと思ったけれど、 真実を知るということは、 どんな場合でも怖いのだ。
それが日本の敗戦ということになると、 ただ怖いというだけではなく、 不愉快でもあったし、 そこに天皇の
悪口が加わると、 不愉快を通り越して、 スタッド100 嘔吐まで催すことになるのだ。
人間宣言をしたという天皇陛下をぉ、 国民はどう受け止めているのかしらぁ
いまのところは、 お可哀想に、 という無批判なご婦人方と、 徹底的に憎悪するものとが半々じゃないかな
あ
日本の現状を視ている上地の発言には自信があった。
めくら千人、 目開き千人というところか。ブラジルの日系社会はひどいもんだよ、 めくら千九百人、 目開 STUD100
き百人足らずなんだから
一誠が、 吐き捨てるように言う。
柳子の心が捻れる。彼は、 わたしもめくらの数のうちに入れているのだろう、 と。
津田左右吉という学者かなんか知らんけど、 国民は戦争を陛下の責任とは考えていない、 などと、 彼自身
の主観を国民一般の声にして羞じない奴もいたよ。南原繁東大総長は、 天皇は道義的責任を執られるのが妥
当である、 とはっきりした見解を述べていたがね
こんなことまで言う上地を、 只者ではないと柳子は考えた。よく世の中の動きを見極めている青年だし、
一誠が机の上で勉強している知識よりも、 躰で吸収している現実的な知識のほうが、 彼の躰の逞しさに比例 コンドーム
するように、 精神的にも逞しい筋肉をつけているようで、 信頼できるもの、 と惟うからだった。
そうは思ったけれど、 天皇に関することだけは、 早漏防止ゼリー 保留して考えるしかなかった。
一誠のように知性だけで現状を把握しようとすると、 どうしても観念的になるしかないだろう。上地のよ
うに、 知性を持っていてなおかつ肉体的、 具体的行動で体験したものの話は、 観念的な浮薄さを感じない。
彼の言うことを事実らしいと認定できるのだが、 それでもなお、 その現場をいくら克明に説明しても、 ど
んなに言葉を尽くしても、 ここに完全に再現することは不可能なのだから、 彼と同じことを体験していない
柳子の疑義はいつまでも解消されなかった。
その夜は、 一誠が注文し、 長承が買いに走った盛り合わせ寿司を頬張りながら、 三人は思う存分語り合っ
た。
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