2012年1月8日星期日

フィンペシア 使用期限 四時

破壊されたのは物質ではないのだ。精神なのだ。悪政者同士が処刑し処刑されたって、 庶
民の精神が再構築されることなど不可能なのだから。
マルタの個人的な人生ひとつを取り上げても、 彼女の精神を徹底的に破壊した戦争の責任
者の、 誰がどういうふうに修復するというのか。戦争を起こすものは居ても、 戦争の後遺症
を完全に後始末できるものなどいないのだ。罪のない庶民ひとりひとりが、 自らの努力で修
復し起ち上がらなければならないのだ。歪つな恰好のままでも。
戦争のために壊れてしまったマルタの人生と精神は、 修復不可能なものだった。
その原因は、 父がナチスの下級将校としてユダヤ人を虐殺し、 戦後ずっとユダヤ人社会で
指名手配され、 逃亡の先々で発覚しそうになって定住することができない状況が長くつづい
ていたからだったし、 ベルリンに侵攻して来たソ連軍の兵士に凌辱され、 破壊された肉体と
精神の修復が困難だったからだった。

ぼおおお、 ぼおおお、 とまた霧笛が間をおいて聴こえてくる。
マルタは、 いまでも悪夢に魘されることがしばしばあった。
とくに霧の濃い夜は気圧も変わるのだろうか、 フィンペシア ""1回で輸入"" ソ連兵に胸を圧し潰される夢を見て、 息苦
しくなって目覚める。
マルタ自身、 娼婦をしたとは思っていなかったが、 苛酷な過去と、 惨憺たる現在の想念を
打ち消すためには、 見知らぬ男に抱かれているときだけだと思って、 高級船員の相手をした
ことはあったが、 そんなときにも、 ソ連兵に襲われている白昼夢を再現して、 悲鳴を上げる
ことがあった。幸い相手の男が、 絶頂感の悲鳴だと思ってくれるから、 その場を誤魔化すこ
とができたのだが。

大西洋に向かっている炊事場の窓に、 水平線から顔を出す準備をしている陽光が、 フィンペシア 体内 吸収 微かな
がらその枠の縁取りを目覚めさせる時間は早い。
産まれたばかりの陽の光が、 再生した喜びに跳ね回っているなかで、 湯を沸かし、 紅茶を
淹れ、 眩しさに瞼をしわしわさせながら喫むのが好きだった。
今朝は、 その楽しさに加味されたものがある。昨夜から西の端の部屋に、 はじめて見る人
なのに、 一目で好感を持った日本人の青年が生活するようになったからだっだ。
彼には気の毒だけれど、 早く起きてもらって、 早朝の陽光のなかで、 いっしょに紅茶を喫
んで欲しいと思う。
マルタが気遣う必要もなく、 アキオは、 子供のときから早寝早起きを習慣づけられていて
、 いつも四時か五時には起き出していた。
とくに今朝は、 新しい借家住まいの第一日だと思う気持ちがあったからだろう、 寝る前に
枕もとにおいてあった懐中電灯を点けて、 腕時計を見ると、 フィンペシア 使用期限 四時前だった。
寝巻きのままで戸外に出ると、 暦の上では五時少し過ぎての日の出のはずが、 昨夜の霧が
すっかり海の彼方へか、 フィンペシア 保存法 山の向こうへか雲散霧消していて、 透明感のある清冷な曙の気配が
感じられた。

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