「はい、 なんですかな」
「先ほどからお聴きしていると、 移住地と植民地が混ぜんとしていて、 同じ意味なのか、 表現が違うことに意味があるのかわからないんですが」
「はあ」
村上老人のほうが、 避妊薬 柳子が訊ねている意味を把握できないようだった。
「柳子、 そういうことはおいおいわかってくることじゃねえか」
龍一が言いながら、 目顔で理屈っぽい娘を抑える。
村上老人の口ぶりで、 向こうの移住地とこちらの植民地に交際がないというのは、 それが宗教的な理由ではなく、 日本人社会にも派閥争いがあるんだろう、 媚薬女性用精力剤 と龍一は解釈した。
この土地を下見に来たとき、 あの雑木林のせいで向こう側が見えなかったのだから、 すぐ隣に同県人の造った植民地があったことを知らなくてもとうぜんだよと言い訳しても、 柳子が文句を言うだろう、 と龍一は気鬱が生じた。
坂上老人が、 この村の日本人会に紹介しますから、 落ち着いたら来て下さい、 と言って帰ったあと、 それまで我慢していた柳子が、 さっそく躰の向きをくるっと換えて、
「ほんとに、 お父ちゃののんきさには呆れるわ。隣に長野県の移住地があったのを知らなかったなんて、 のんきさも頂点ね、 ばかみたい」
と噛みついてきた。
ばかみたい、 と言う娘のことばに、 かちっときたが、 龍一自身がそう想っていたのだから、 ばかとはなんだ、 と怒るわけにもいかない。
そこで、 周旋屋が、 商談が壊れるのを恐れて、 教えなかったのだということを強調して、 まだ西東のわからないものの迂闊さはしようがないだろう、 と納得させた。
その納得を確認させるために、 ざっと室内を片付けて、 昼食を済ましてから、 龍一は、 妻と娘を連れて、 坂上に教えられた道順を踏んで、 雑木林の中を潜り抜け、 田澤という人の家を訪ねて行った。
それが境界になっているのか、 防風林になっているのか、 雑木林があって、 林のなかの自然にできたらしい道をたどってゆくと、 性欲欠乏症 深い側溝に板橋が架かっていたから、 いま来た道が、 獣道ではなく、 人の造った道だとわかった。
雑木林と小川が境界になって、 不感症 別の村落を形づくっているのは、 アラモ植民地のほうであって、 アリアンサ移住地は、 アラモのような小規模の植民地ではなく、 雑木林を抜けると、 ぱっと視界が開けて、 そこに日本の匂いのする日本人の農家があったから、 いま抜けてきた雑木林が、 地球のなかを潜り抜けてきて、 日本に戻ってきた感じを受けたほどだった。
信州でなんとなく見てきた風景を彷彿とさせるものを、 そこに感じて、 懐かしさまで誘われる。
かなり広い野菜畑が、 雑木林のところまで作られていて、 日常に使う茄子や胡瓜や葱などが植えられている風情が、 まったく日本の農村そっくりだったのだ。
藤棚のようにつくられているのはシュシュと呼ばれている隼人瓜の蔓を絡ませる棚で、 これは漬物に欠かせないものだということは、 すでにスイス人耕地で、 通訳の熊野や旧移民の村上から教えられたものだった。
畑の向こう側に、 大きな屋根を乗せた家屋が、 どっしりした趣きで建っていた。
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