2011年12月12日星期一

リキッドクイバー ふたりのあいだ

だから父や肇との対立が、 徹底さを欠いたといえるだろう。
柳子の矛盾は、 ほかにもあった。すでに死んでしまったミモザへの離れがたい執着。母への愛着。それら観念的な心の揺らめきが、 足を踏み出せなくするのだ。
もうひとつ、 敬一に家出の決心を打ち明けて、 彼の協力を願い出たのは、 彼の愛を信頼したからだったけれど、 それが肉親の柵を乗り越えてゆくのを、 もっとも容易にさせるだろうと考えたのだが、 彼は、 内藤家の養子になることを父と約束しているのだ。そういう立場にいるものに、 わたしはあなたと結婚しない、 と柳子は宣言しているのだ。
セックスはしていて、 夫婦のように生活しながら結婚を拒否しつづける義妹よりも、 敬一を頼りにしている義父母への義理から、 バイアグラ 彼は寝返らないだろうか、 という不信感から起こる不安は、 ずっとついて回っていたのだ。彼がぜったい裏切らないと言う保障はないのだから。
そんな不安が、 敬一から求められるのを待っておられず、 柳子のほうから求めてゆくようなことをさせた。
「敬一さん、 いまでもわたしを愛してるぅ」
そんな、 VIAGRA なんでもない常套句が、 素直に出る柳子の唇を、 敬一は、 ちゅっ、 と音させて吸ったあと、
「あたりまえだろ」
と至極あたりまえに応じたことで、 しばらくつづいていた白けた蟠りが、 ふたりのあいだから消滅したのだから、 ふたりが似通った性質の陽性と、 潔さを持っていたのだろうけれど、 そういうふうに働きかける柳子の積極的な行動が、 敬一よりも一歩の違いを示したのだ。
それほど高くなかった垣根を跨いでしまうと、 あとは皮肉でも、 当てこすりでも、 嫌味でも、 泣き言でも、 柳子得意の駄々を捏ねても、 リキッドクイバー ふたりのあいだの感情が捩れたりしない仲だったのだから。
ふたりのあいだにあった拘りは、 そんな感情的なことではなく、 具体的な手続きに関することで、 たとえば、 肉体だけの夫婦ではなく、 Liquid Quiver 公的な夫婦になるというような。
それが柳子の家出を食い止める柵をつくるはずだ、 と敬一が姑息に考えたことがはじまりだったのだ。
「ほんとうの愛なのぉ」
「ほんとうの愛さ」
「じゃあ、 わたしに滅私奉公を誓えるのぉ」
そこまではできないでしょう、 というような柳子の口ぶりを、
「誓えるよ」
と敬一は笑いながら断言する。
笑いながらというのは、 嵩にかかって言う柳子の独善性と、 セックスをさせてやるという立場と、 させてもらうという立場との、 ギブアンドテイクが平等ではないという皮肉と諦念に対してだった。
「じゃあ誓ってよぉ」
「うん、 誓った」

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