2011年12月7日星期三

勃起障害 労働は神聖なものだと

柳子が素直に謝ったから、 全員のあやふやな表情に輪郭が入って、
「いや、 そうじゃありませんよ、 思ったことを自由に発言してもらっていいんですよ。日本のように言論統制はありませんから。正直言って、 内藤さんの発言のほうが正当な疑問なんですよ。ぼくらもそう思いながら、 できないできた自分たちの弱さを、 いまさらのように恥じますよ」
鈴木一誠が「言論統制はない」と言ったけれど、 たとえ制度的にはなくても、 日本人社会には、 常に無言の圧力というものがあって、 自由に発言するには、 ある種の勇気はいったのだ。
鈴木が柳子の疑問に応えると、 室内にしんみりした空気が漂う。
「文芸誌的なものを作らないかという提案もいままでにあったことはあったんですけど、 なかなかね、 ペニス増大 それを作る資金的な余裕と、 文章を書く時間的な余裕がなくて」
「そうでしょうねぇ。わかります、 わたしもスイス人耕地でコロノとして一年働きましたので、 農業することのたいへんさは理解できましたから」
「そうですか、 ただの町のお嬢さんではなかったんですね」
「ブラジルにきて、 インポテンツ はじめて労働したんです。でも、 その労働したことで、 労働の尊さとか美しさとかを知ったんではありません。知ったのは苦しさと辛さだけです。仕方なくしただけで、 しなくてもよかったら、 したくありません。ほかにしたいことがたくさんあるんですから」
「ほう」
全員から歎声が漏れた。しかしそれは、 全員が柳子の言うことを肯定したからではなかった。
鈴木は明らかに不満の色を顔に顕わしたし、 佐藤は暗い憤りを表出したけれど、 面と向かって柳子の考え方に反発はしなかった。ほかのものは曖昧な顔をしていたが、
「同感だよ、 ぼくも労働は必要悪だと思ってきたから」
大野良雄ひとりが、 感激した感情の熱さを眼の色にだけではなく、 躰じゅうから発散させて、 それまでのぼそぼそしていた調子の声とは違う、 少し上ずった声で言うと、 勃起不全
「こんな大男の大野くんでも、 思っていることを率直に発言し、 行動に移す勇気はないんですよ」
佐藤がからかっているような言い方をした。それがここにいる全員に当て嵌まることなのだから、 誰もがすこし怯えたような顔をした。
「ぼくはやはり、 勃起障害 労働は神聖なものだと思うなあ」
佐藤が、 まじめな顔になって言う。
「この小さな日本人社会で、 文芸を目的にした同人誌を作るというのは、 非常にむつかしい問題でね、 経済的や時間的な余裕がないというのはひとつの弁解でしかないんだ」
鈴木一誠が、 みずからの前言を取り消すようなことを言って、 昧い顏になる。
「方法はあると思います。ペンネームを使うというのは誰でも思いつくことですけど、 時局に添ったものとか、 古い頭の人たちもこれならと思うような、 教訓的なもののなかで、 人間の本質を描くというような。たとえばですね、 『ここはお国を何百里』というような軍国調の反戦歌のようなものとか、 与謝野晶子の『君死に給うことなかれ』とか」
周囲のものの視線が、 いっせいにふしぎなものを視るように窄められ、 そのあと大きな振幅で揺れる。
いま発言されたことばのすべてが、 まだ年端もいかない少年のように見える柳子の口から発せられたものとは、 どうしても信じられないような眼つきだった。

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