由もなく感じていた。
「おい、 敬一くん、 これが儂の家内のチヨで、 さかんに文句を言ってるのが娘の柳子だ。こ
の稲村敬一くんは、 内藤の遠い親戚に当たる青年だ。チヨは知っとるだろ」
そう言われても、 塩酸ミノサイクリン チヨはすぐには思い出せなかった。
敬一が、 もう一度丁寧に頭を下げて、 チヨもそれに応えて深々と頭を下げながら、 記憶のな
かの、 稲村敬一の名を探し回る。
急に降って湧いたように、 内藤の遠い親戚だという青年が、 目の前に立っても、 信じられる
筈はない。
「まあ、 家のなかに入って、 経緯をゆっくり説明しよう」
龍一は、 非常に愉快そうな声で言う。
「さあ、 どうぞ、 お入りになってください」
なにはともあれ、 遠来の客だと惟うから、 チヨも急いで客を迎える顔になって、 敬一を招じ
入れる。
なんだろうお母ちゃは、 急によそゆきの声を出したりして、 まだ何者かもわからないのに、
と柳子は機嫌が悪かった。
龍一と敬一が、 ざっと躰の埃を落として、 居間に落ち着くと、 柳子は、 稲村敬一なる人物の
正体を見極めなければならない、 と手薬煉引くような恰好で、 身を乗り出してくる。
「柳子さん、 これからここで、 ずっとお世話になりますので、 どうぞよろしくお願いします
」
敬一は、 柳子と同じように、 誰に対しても物怖じしない性格のようだった。そしてことばは 妻之友
丁寧に遜っているようだったが、 決してみずからの尊厳は崩さないぞ、 というような気構え
が感じられた。
そんな態度が、 なんだかこちらの姿が鏡に映ったようで、 男根増長素 柳子は気味悪かった。
柳子は、 なぜかしらこの青年に、 タツの言い草を借りれば、 前世からの因縁が在るように惟
えて、 気持ちがざらつくのだ。
「あなた、 なんだか、 初対面のわたしに、 非常に馴れ馴れしい態度をされているみたいです
けど」
柳子のほうが、 初対面の青年に向かって馴れ馴れしい文句のつけ方じゃないか、 と惟った
龍一は呆れ、 聴きしに勝る勝気な娘だ、 と龍一から聴いていた予備知識はあったのだが、 そ
んな予備知識などを超越した柳子の応対に、 敬一は意表をつかれる。
「ええ、 それはですね、 ずっと病院にいるときから、 あなたのお父さんから、 柳子さんの名
は耳馴れするほど何度も聴かされていまして、 初めてお会いする方のように思えなかったも
ので」
「お父ちゃ、 さんざんわたしの悪口を言ってたんでしょ、 お転婆娘がいるから用心しろって
」
「いえ、 cialis 100 そうじゃないですよ。すごく活発で、 人と口論するのが好きな娘がいるから、 覚悟
をしていてくれって」
この人、 茂おじさんのように人をオチョクルところがあるのではないだろうか、 と柳子は、
それには腹を立てず、 逆に親しみを感じたのだから、 彼女自身、 あるはずのない既視感を覚
えたのだろう。
「ほれ、 この調子だろ。こいつはじゃじゃ馬なんだから」
龍一が言うのを、 柳子は無視して、
「そう、 じゃあ、 もうすでに覚悟はできているんだったら、 話しやすいわけねぇ」
と柳子は喧嘩腰になって言う。彼女にとっては、 それが親しさの表現なのだ。
「ええ、 ぼくももう、 ぜんぜん初対面の気がしないから遠慮なく言わせて貰います」
敬一も苦笑しながら、 怖気ることはなかった。
しかし、 「ずっとお世話になります」というのは、 穏やかではない、 と柳子はひっかかって
ゆく。
「お父ちゃ、 この人、 ずっとお世話になるだなんて、 すごく厚かましそうなこと言ってる
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