この小さな集団においても、 吉賀谷を偉い宗教家だと思わせるカリスマ性もあったのだけれど、 それよりも極
東の島国で培われてきた、 避妊薬 日本民族だけが持つ特異な感性の、 原始宗教がそのままの形で受け継がれてきた素朴
な信仰心で、 天皇を神として仰ぐことを教え込まれたのが、 大いに作用したのに違いなかった。
吉賀谷の偉大さは、 精神的なものよりも、 女性を信じさせる実際的な行為にもあって、 神代の時代から男根を
崇拝してきた民族の末裔が、 吉賀谷を媒体として、 祭るべき神を必要としたのだ、 ともいえるかもしれない。
女性のほうが大きな尻を据えて即物的に構えていると、 その尻に敷かれて存在感の乏しい男性は、 吉賀谷を疑
うことに忸怩とするようになる。
そして、 男の狡さでもあったが、 移民社会での女性に対する価値観は、 伝統を重んじる故郷でよりも、 いっそ
う強かったから、 亭主関白は表向きで、 家庭内では嬶天下である女性を統御し得ると、 ほとんど一つの団体の長 コンドーム
たり得るのは容易いことだった。
悪人にはマゾイズム的人間が多いのだが、 吉賀谷もその例に漏れず、 恐怖心を利用して、 礼儀だとか、 避妊薬 けじめ 媚薬女性用精力剤
だとか、 形式的な規制を押しつけ、 隊員がそれを違背することを懼れて汲々としている姿を観ることで、 快感を
得ていた。
そのもっともたるものが、 断食だった。吉賀谷は、 隊員とその家族たちが、 どういう反応をみせるかに、 多い
なる興味を持って、 暮れが押し詰まった十二月二十日に、 第一回目の断食日を言い渡した。
すぐに反応を示したのは、 とうぜん子どもたちで、
腹減ったよう
お腹空いたよう
と言う泣き声が、 あちらこちらで聴こえたが、
男のくせして、 情けない声を出すな
と親が抑えるだみ声のほうが、 苦痛のために捻れていた。
ねえ、 父ちゃん、 女の子は泣いてもいいのぉ
女でも駄目だ
でも、 いま父ちゃん、 男のくせにって言ったよ
女でも泣いてないのに、 男のくせにって言ったんだ
女は腹空かないの
空くさ、 誰でも
じゃあどうして、 泣かないの
空腹を忘れるためにも、 話しているほうがいいんだ、 と惟っているのだろう、 子どものしつこさにも煩がらず
、 話し相手になっていた。
女は、 男より勁いんだよ
母親も、 いい機会だと惟って、 加わってくる。
嘘だい、 男のほうが強いよ
男の子が、 負けずに言い返す。
日本人は男も女も勁いんだ
男親は、 事勿れと惟って中庸を取る。
じゃあ、 どうして男が威張ってるの
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